2008年05月16日

出雲紀行(意宇)

出雲を旅した。12日から14日までの2泊3日である。12日は午前4時に起床した。前日までの雨は上がっていた。始発列車に乗り込んだ。JR新大阪駅に到着したのは午前6時半。新幹線ホーム21番線でWと合流した。JR岡山駅からは特急やくも3号に乗り換えた。中国山地を横断。山、山、山の連続である。山陰の名峰・大山がその勇姿を現した。視界が急に開けた。列車はいつしか米子平野を疾走していた。JR松江駅に降り立った。念願の出雲の地にたどり着いた瞬間である。

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日ノ丸バスに乗り込む。武内神社前で下車した。まずは出雲国分寺跡を見学する。数多くの礎石が青々とした雑草のなかに埋もれている。時折、海からの風が大地を駆け抜けてゆく。そのたびに雑草がさざ波のように揺れ動く。かつて“意宇”(おう)と呼ばれた地である。古代出雲の中心地であったという。そのことは数多くの古墳、国庁、古代寺院の遺跡が残されていることからもうかがえる。往時の賑わいは律令体制の崩壊とともに失われたようだ。八雲立つ風土記の丘では、展示学習館に展示された子持埴輪や「額田部臣」と記された岡田山1号墳出土の鉄剣、山代郷北新造院(来美廃寺)の出土品に心を惹かれた。写真は国宝に指定された神魂神社の本殿である。出雲大社本殿と同じ大社造である。日本最古の大社造であるという。その大きさに圧倒された。それでも出雲大社の本殿よりも小さいという。神魂神社は意宇の地を睥睨する高台に鎮座している。出雲国造家の館のあったところかも知れない。時代の移り変わりのなかでやがて聖地=神魂神社へと変化した。そう考えてみると“神魂”という名称も何やら意味ありげである。

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八重垣神社は鏡の池の縁占いで有名である。神社の裏手にある鏡の池をひとめぐりした。小さな池である。縁占いを試みる女性たちを見かけた。硬貨を乗せた占い用の和紙を水面に浮かべる。和紙が岸から遠く離れたところに沈むと、遠方から良縁がもたらされる。近くで沈むと身近なところに縁がある。すぐに沈むと出逢いの瞬間まであとわずかである。なかなか沈まない。そんなときは良縁とめぐり逢うまでにまだしばしの時間が必要であるという。彼女たちはそれぞれの和紙が沈んでゆくさまを固唾を呑んで見守っている。その真剣な眼差しをあざ笑うかのように、和紙はなかなか沈まない。鏡の池ではゆったりとした時間が流れていた。境内の末社や大木の根元には木製の男根が奉納されていた。男根の一つには「大願成就」という文字が記されていた。頬が緩む。拝殿では巫女神楽の真最中だった。リズミカルな太鼓と鈴の音色がダイナミックな躍動感を演出していた。関西の神社でしばしば見られるような雅楽風の神楽とは大違いである。出雲神楽の影響だろうか。島根県最大の前方後方墳・山代二子塚古墳や隣接する大庭鶏塚古墳の墳丘からの眺めも印象深かった。夕刻が迫っていた。
posted by 乾口達司 at 18:23| 奈良 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いま、籔田紘一郎著「ヤマト王権の誕生」が密かなブームになっていますが、
それによると大和にヤマト王権が出来た当初は鉄器をもった出雲族により興
されたとの説になっています。
 そうすると、がぜんあの有名な山陰の青銅器時代がおわり日本海沿岸で四隅突出墳丘墓
が作られ鉄器の製造が行われたあたりに感心が行きます。当時は、西谷と
安来-妻木晩田の2大勢力が形成され、そのどちらかがヤマト王権となったと
考えられるのですがどちらなんだろうと思ったりもします。
 西谷は出雲大社に近く、安来は古事記に記されたイザナミの神陵があるので神話との関係にも興味がわいてきます。
Posted by 島根考古学ファン at 2008年11月30日 15:40
コメント有難うございました。出雲はおもしろい土地ですね。5月にはじめて訪れたのですが、いろいろなことを考えさせられました。実は奈良の三輪山の近くにも出雲というところがありまして、興味を持っているのです。詳しいことは何もわからないのですが、野見宿彌の墓といわれているのもありますし、大和と出雲の何らかのつながりを感じさせます。
Posted by 乾口達司 at 2008年11月30日 23:02
 島根県安来市に巨大な工場を構える日立金属が開発した新型冷間工具鋼 SLD-MAGIC(S-MAGIC)は微量な有機物の表面吸着により、金属では不可能といわれていた自己潤滑性能を実現した。この有機物の種類は広範囲で生物系から鉱物油に至る広い範囲で駆動するトライボケミカル反応を誘導する合金設計となっている。潤滑機械の設計思想を根本から変える革命的先端材料いうものもある。
 このトライボケミカル反応にもノーベル物理学賞で有名になったグラフェン構造になるようになる機構らしいが応用化の速度にはインパクトがある。
Posted by 奇跡の大刀ファン at 2012年12月14日 22:20
門外漢なのでコメントのしようがありませんが、何だかすごそうです。
Posted by 乾口達司 at 2012年12月15日 21:53
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