
先日、杉浦圭祐から第一句集『異地』(現代俳句協会/2021年1月)を頂戴した。まことに喜ばしい限りである。杉浦圭祐と知り合ったのは、私が大学院生のときであったと思う。したがって、知り合ってからかれこれ25年近くになる。以来、私が有志と担当していた雑誌に何度か寄稿していただいた。中上健次についての座談会にも参加していただいた。一方、杉浦圭祐の方もみずからが編集にたずさわっている俳句雑誌をたびたび送ってくれた。その律義さにはいつも感謝していたものである。ここ数日は何かと忙しく、頁をまだパラパラとめくっている程度ではあるが、『異地』という題名が杉浦圭祐の半生を的確にいい表していることは間違いない。たまたま開いたページにあった「用終えて明日が祭の街を去る」という一句には、故郷を離れた「異地」で生きざるを得ない杉浦圭祐の生きざまと哀感の一端が良く表されている。これからゆっくり拝見させていただくつもりである。
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