2020年09月07日

ホ・ヨンソン著・姜信子+趙倫子訳『海女たち』

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ホ・ヨンソン著・姜信子+趙倫子訳『海女たち』(新泉社)は、韓国・済州島における海女の言動を通して、韓国の苦難の近現代史を浮き彫りにした詩集である。特定の形を持たない「水」が自由に、そして、どこまでも流れていくように、次々と言葉が紡ぎ出される。その「水」の内部(海中)と外部(海上)とを往還する海女は、時代に翻弄される人々の無意識と意識とを往還するシャーマン的な存在でもある。その往還により、海女はわれわれ個人の歴史とともに、われわれの存在と深く結びついた近現代の歩みまでも浮かびあがらせてくれる。いわば、海女は言葉を紡ぎ出す装置であり、韓国の近現代そのものである。装丁も良い。
posted by 乾口達司 at 08:00| 奈良 ☀| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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