
がさつな私には珍しいことながら、今年のゴールデンウィークは珍しく読書週間であった。読んだ本の一冊に西郷信綱の『古代人と夢』(平凡社/1972年)がある。西郷信綱は重要である。私のような門外漢であっても、いや、門外漢であるからこそ読まなければならない著者である。学生の頃からそう思って来た。しかし、いまだに数冊しか読めていない。そうこうしているうちにご本人も他界されてしまった。いまでは著作集も出ているが、もちろん、読めていない。そんななかで久し振りにまとまった時間が出来た今回、『古代人と夢』を読んでみた。現代のわれわれとは違い、古代人にとって、夢を見るという行為がもう一つの世界を生きることそのものであることを教えられた。それはわれわれが思っているような幻などではない。現実そのものなのである。西郷信綱の単行本はほかにもまだ自宅に転がっている。また機会を見つけて読んでみよう。
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