2013年04月11日

高畑町の尾花座跡。

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ホテルサンルート奈良”(奈良市高畑町1110)の正面前の植え込みのなかに石碑が建っている。その表面には「われらが尾花座ここにありき」という文言が刻まれている。人間国宝の落語家・桂米朝の筆であるようだ。「尾花座」とはかつてこの地にあった芝居小屋のこと。「尾花」の名は近くを流れる尾花谷川にちなんだものであろう。明治42年に建てられた尾花座では、演劇や落語など、さまざまな芸能がもよおされたようである。大正9年には、当時、流行しはじめた映画に目をつけ、映画館=尾花劇場として再デビューを果たす。尾花劇場の閉館は昭和55年。その翌年には現在の地に“ホテルサンルート奈良”が建てられ、尾花座・尾花劇場時代の面影を残すものはすべてなくなった。現在、“ホテルサンルート奈良”地下1階にある“日本料理おばな”が尾花座の名前を引き継いで営業をしている程度である。店内には尾花座・尾花劇場時代の写真や額が掲げられている。それらを見ると、当時、尾花座が奈良における大衆演劇のメッカであったことがうかがえる。尾花劇場には私も何度か映画を観に訪れている。その期間は閉館までの数年間であろう。しかし、どのような作品を観たのか、おぼえていない。おぼえていることといえば、館内がひどく老朽化していたことだけである。しかし、シネコン時代の現代と異なり、当時の映画館はどこも暗く、汚く、老朽化が著しかった。それがまた映画館の魅力の一つでもあったといえる。尾花劇場だけがとりたててひどく老朽化していたわけではあるまい。尾花劇場が閉館してはや33年。もうそんなに月日が流れたのか。
ラベル:映画館
posted by 乾口達司 at 23:47| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 散策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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