2012年05月11日

岡山紀行(弘法寺踟供養)

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岡山紀行(備前長船刀剣博物館)→こちら

弘法寺(岡山県瀬戸内市牛窓町千手239)では毎年5月5日に踟供養(岡山県指定重要無形民俗文化財)がおこなわれる。踟供養は中将姫が極楽浄土へ導かれる様子を演じた宗教劇とでもいおうか。私の住む奈良県内でも、中将姫伝説のお膝元に相応しく、當麻寺の練供養など、数ケ寺で練供養がおこなわれている。弘法寺の場合、一般に「練供養」と記される表記が「踟供養」と表記されているのがまず興味深い。当日は午後2時から法要がいとなまれ、菩薩面をつけた人たちや僧侶、稚児らの行道がはじまるのは法要が終わる午後3時頃からである。近年の行道は塔頭である東寿院と遍明院とのあいだを行進することになっており、出発地点と到着地点は毎年入れ替わる。今年は東寿院を出発し、遍明院に到着するというルートであった。午後3時、法螺貝を吹き、銅鑼を打ち鳴らしながら、一行が東寿院を出発。坂道を30分ほどかけてゆっくり登り、遍明院へと向かった。何しろ一行のなかには仮面を被り、視界のほとんどを遮られた状態のものも多くいるのである。付き添いのものに介助され、自分でも足元を確かめながらゆっくり進むしかない。遍明院では内部に人が入った被仏(阿弥陀如来像)が迎え仏として待機しており、一行が入堂するたびにお辞儀を繰り返していた。中将姫の木像が入堂すると一連の行事は終了である。当日は寺宝の特別公開もおこなわれており、普段は閉じられている収蔵庫も一般に開放されている。遍明院では5体から成る木造五智如来坐像(国重文)を拝観することが叶った。昨年だったか、一昨年だったか、岡山県立美術館でもよおされた特別展で拝観して以来である。東寿院では本堂にまつられた快慶作の木造阿弥陀如来立像(国重文)を拝観することが出来た。境内ではうどんの接待もおこなわれており、檀家をはじめとする関係者総出で踟供養を盛り上げようという気概が感じられた。ただ、その関係者のなかに若者がいなかったのは気になる。関係者の高齢化が進むなか、その前途に一抹の不安も感じたのも事実である。
ラベル: 行事
posted by 乾口達司 at 21:45| 奈良 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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