2010年08月22日

伊藤和『伊藤和詩集』1

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伊藤和(1904年〜1965年)は千葉県出身の農民詩人である。いまではその名前を知るものはそれほど多くはあるまい。私が伊藤和の存在を知ったのはいまから十年以上前のことである。当時、小野十三郎についての論考を書いていたとき、小野が秋山清らとともに創刊した「弾道」や萩原恭次郎の「クロポトキンを中心にした芸術の研究」のなかでその名前を見つけた。しかし、当時は小野や秋山の文章に目を奪われていたこともあり、伊藤和の詩に関心を寄せるまでにはいたらなかった。その後、2008年2月に刊行される『現代詩大事典』(三省堂)の執筆を依頼された。編集部から依頼された担当項目のなかに「伊藤和」が含まれていた。これはまったくの偶然である。しかし、伊藤和の作品世界を真正面から吟味する機会に恵まれたという意味ではまことに有り難い偶然であった。『現代詩大事典』に寄稿した伊藤和のプロフィールを引用しておこう。

千葉県栄村(現、匝瑳市)生まれ。一九二三(大12)年頃から農民運動に参加。三〇年、田村栄らと同人誌「馬」を発刊。高神村農魚民蜂起事件(二九年)を支援した詩等により不敬罪・治安維持法違反・出版法違反で懲役二年(執行猶予四年)の判決を受ける。同誌と同年秋刊行の詩集『泥』は発禁処分となった。無政府共産党事件(三五年)、農村青年社事件(三六年)でも検挙された。「クロポトキンを中心にした芸術の研究」「弾道」「文学通信」「詩行動」等に貧困に喘ぐ農民の日常を活写した重厚な作品を発表。戦後は「コスモス」「新日本文学」等で活躍した。『伊藤和詩集』(六〇・九 国文社)がある。(『現代詩大事典』69〜70ページより)
(続く)

伊藤和『伊藤和詩集』2→こちら
伊藤和『伊藤和詩集』3→こちら
伊藤和『伊藤和詩集』4→こちら
伊藤和『伊藤和詩集』5→こちら
伊藤和『伊藤和詩集』6→こちら
ラベル:伊藤和
posted by 乾口達司 at 23:03| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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