2009年06月07日

水田とカブトエビ。

今日は所用で午後から奈良市立図書館へ向かった。行き帰りともに徒歩で通した。途中、水田の広がる一帯を通る。水田にはすでに水が張られていた。今日、まさしく田植えに精を出している水田も見られた。水田には植えられたばかりの無数の苗が弱々しく屹立している。なかには早くも倒れてしまっているのもあった。しかし、心配は無用である。いまは小さくて弱々しい苗もやがてしっかりと大地に根を張り、秋には黄色い穂をたくさんつける。今年も旱魃や水害を乗り越えて実りの秋が到来することを願うばかりだ。水面には無数のカブトエビがせわしなく動きまわっている。せわしなく動きまわるカブトエビを眺めながら思い出したのは静岡県在住のMの話だった。Mは明日香村を旅したとき、水田でカブトエビを目撃したという。いまから10年ほど前のことである。
「奈良の田んぼにはカブトガニがいるの?」
「カブトガニではなくてカブトエビだよ」
「カブトガニとカブトエビは違うの?」
「さあ?」
「私、カブトエビなんてはじめて見たよ」
Mとのやりとりはこのようなものであったと思う。Mは明日香村で目撃したカブトエビに衝撃を受けたようだ。しかし、私の方はカブトエビを見たことがないというMの発言の方が衝撃的だった。まさか静岡の田んぼにはカブトエビがいないというわけではなかろう。毎年、この時期になると水の張られた田んぼでカブトエビを目にする。カブトエビを目にするとMの話を思い出す。静岡の田んぼにカブトエビを見つけたかい?Mにそう訊ねてやろうと思いながらいつも忘れてしまう。そして、いつしか10年の歳月が流れている。
ラベル: カブトエビ
posted by 乾口達司 at 23:20| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 春夏秋冬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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