2008年11月05日

細見古香庵『土器に花』

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細見古香庵は日本古美術の蒐集家として名を馳せた実業家である。収集した美術品は、現在、京都・岡崎にある細見美術館に展示・収蔵されている。家人の仏師がかつて古香庵所蔵の仏像彫刻を何体か修繕した。そのせいだろう。生前、我が家とは仕事の上で付き合いがあったようである。そのことは古香庵から頂戴した謹呈本が数多く残されていることからもうかがえる。『土器に花』(昭和46年5月、浪速社刊)はそのうちの一冊である。奥付にナンバーが振られている。限定2500部の第239号。タイトルのとおり、古香庵所蔵の土器や須恵器に和田翁甫が挿花をした百点以上の写真から成り立っている。縄文式土器に老松や紅椿、柘榴や白百合を挿している。弥生式土器にアンスリュームやフリージャを挿したものもある。須恵器に枳殻の枯枝を挿し、そこに烏の枕を3つ絡めた一枚は特に魅力的である。土器特有の土色と草花の鮮やかな緑や赤、黄色とが絶妙なコントラストを作っている。我が家にも幾つかの弥生式土器や須恵器がある。『土器に花』を参考にしながら、今度、それらを床の間にでも飾ってみようかと思っている。
ラベル:土器
posted by 乾口達司 at 21:33| 奈良 | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする